矯正治療
歯科矯正とは
身長が高い人もいれば身長が低い人もいます。歯並びも元々綺麗な人もいれば歯が重なり合っている人もいます。つまり人それぞれお口の中にも個性があるのです。歯並びは遺伝的によるものや、それ以外の環境的によるものがあります。様々な原因が複雑に関与していると考えられ、いまだ原因については不明な点が多いと言われています。
見た目だけではなく健康面も改善できる治療
歯科矯正は出っ歯や受け口、でこぼこの歯並びなどの不正咬合を改善していく治療です。患者さんの年齢や歯並び、噛み合わせ、それぞれにあった矯正装置を使っていきます。
歯科矯正というとどうしても審美的な面が注目されますが、実はそれ以上に心身の健康面で様々なメリットがあります。
歯並びがバランスよく整うことによりしっかりと噛むことができ、消化が良くなり胃腸の負担を軽減することができます。また、歯並びが整うことにより歯磨きがしやすくなり、虫歯や歯周病を予防しやすくなります。そして何より綺麗な歯並びになることでコンプレックスが解消され、自信を持って人前で話をしたり、笑ったりすることができます。
歯科矯正治療の医院の選び方
そもそも歯並びを改善するといっても矯正歯科と審美歯科(美容歯科)というのは治療方法が異なります。矯正歯科は、不正咬合を矯正装置を使用してゆっくりと歯を動かすことで理想的な状態に整えていく治療です。歯を抜く場合はありますが基本的に歯を大きく削ったりすることはありません。
審美歯科(美容歯科)と呼ばれる場合の歯のでこぼこを改善する治療というのは、歯を削って被せ物などの方法で短期間で見た目をよくする方法です。短期間で改善できるというメリットはありますが削った歯は二度と戻ることないため、治療を受ける前には十分納得し理解することが大切です。
歯科矯正治療はどこで受けるのがいいのか?
日本では歯科医師であれば誰でも矯正歯科の看板を掲げることができます。そのため患者さん自身でもどこの矯正歯科に行けばいいのかわからなくなってしまいます。
医院を選ぶ一つの目安としては矯正歯科専門開業医という選択肢があります。歯科矯正治療は専門性が高い分野です。中には一人の歯科医師が一般歯科と矯正歯科を両立している場合もあります。
また、決められた曜日に外部から矯正専門医が来て矯正治療を行なっている場合もあります。大学病院、矯正歯科専門開業医は豊富な臨床経験を積んでいるという点で信頼できます。一般歯科と矯正歯科を行なっている場合は矯正歯科専門の歯科医師がいるかどうか確認するのが良いでしょう。
子供の時から矯正治療をする必要はあるのか?
子供は成長発育をしているので上下の顎のバランスを整えやすく、顎の骨やその他の発達に影響を及ぼすようなケースは子供の時から治療を開始した方がいい場合があります。
また、指しゃぶりや口呼吸などの口に関係する癖などは歯並びに影響することがあります。さらに、生まれつき大人の歯が少なかったり、埋伏していたりすることでも影響することがあります。
年齢に応じた歯科矯正
子供の矯正
乳歯の歯並びが悪いと永久歯の歯並びに悪影響を与えたり、成長発育にともなって顎骨の変形や不調和を引き起こす可能性があります。しかし乳歯列の時にできる治療というのは限られています。
成人矯正(中学生以降の矯正)
永久歯が生えてくると治療の幅が広がります。欧米では口元の印象が就職にも影響すると言われています。そのため欧米では中学生頃から矯正治療を開始する患者さんが多いようです。だからと言って年齢を重ねると矯正治療ができないかというとそういうことではありません。
大人になっても歯周病や虫歯のトラブルを解決するために、そして小さい頃から歯並びを気にしていた方が矯正治療を開始する方はいますので決して諦めてはいけません。
あなたはどのタイプ?
歯がデコボコ
- 歯と歯が重なっている
- 八重歯や歯が捻れて生えてしまっている。
一般的に叢生(そうせい)と呼ばれます。顎の大きさと歯の大きさのバランスが崩れることで歯が重なって生えてきてしまう状態です。歯磨きがしにくいため虫歯や歯周病になりやすくなります。
受け口が気になる
- 下の歯列が上の歯列よりも前に出ている
- 上顎に比べて下顎が発達し過ぎている
- 上手に咀嚼ができない
一般的に反対咬合、下顎前突と呼ばれます。遺伝的な要因が大きいですが、上唇を噛む癖であったり、舌を突き出すなどの癖が原因の場合もあります。永久歯が生え揃った状態での反対咬合は矯正以外の治療方法はなく、場合によっては骨を削る治療をしなくてはいけないケースもあります。
出っ歯に悩んでいる
- 極端に上の前歯が下の前歯よりも出ている
- 上唇が上がったままで口が閉じにくい
上顎前突と呼ばれます。前歯の角度異常、上顎が成長し過ぎている、下顎の成長不足、小さい頃の指しゃぶり癖などが原因ですが、鼻に疾患を抱え、口呼吸になっている子供にも多く見られる症状です。
噛み合わせが深い
- 噛み合わせると上の歯が下の歯をほとんど隠してしまっている
過蓋咬合(かがいこうごう)、ディープバイトと呼ばれ、噛み合わせが深すぎる状態です。前歯の負担が大きくなり様々な症状と複合するケースもあります。下の前歯が上顎の内側の歯肉を傷つけてしまうことがあります。
前歯がうまく閉じられない
- 口を閉じても上の前歯と下の前歯の間に隙間ができてしまう
- 舌を前方に突き出す癖がある
- 麺類などの食べ物が前歯で噛みづらい
開咬(かいこう)、オープンバイトと呼ばれ、原因は幼少時の指しゃぶり、舌を突き出す癖、口呼吸などです。上下の前歯に隙間ができているため前歯で食べ物を噛み切ることが難しく、発音しづらいため、言葉が不明瞭で聞き取りにくくなることもあります。
治療期間はどのくらいかかるのか?
矯正治療は歯に負担がかかり過ぎないように適正な力でゆっくり歯を動かすため、基本的に治療期間は長い期間を必要とします。
患者さんひとりひとりお口の状況や治療方法は違うため正確なことは言えませんが、部分的に直す部分矯正でも6ヶ月~1年、全体的な矯正治療であれば2~3年ほどの治療期間が必要となります。
また、治療後はその状態を保つための保定装置という装置を使っていただくことになります。
矯正治療費はどのくらいかかるのか?
矯正治療は基本的に保険適用外ですので歯科医院ごとに治療費は異なります。当医院では治療費は約50万円ですが症例により異なるため詳しくはお尋ねください。